あなたの出っ歯はどのタイプ?
歯並びが悪いと笑顔も消極的になりがちですが、中でも「出っ歯」はコンプレックスを持っている人が多いようです。昔はどちらかというとからかわれることが多くて特に年輩の方は気にされるものでした。
出っ歯は正確には上顎前突といいます。上顎前突には一般的には3つのタイプがあります。
- 上顎の骨が大きすぎて顎ごと前に出ているタイプ
- 下顎が小さすぎて下の歯が奥に入り過ぎているタイプ
- 顎の大きさは問題ないが前歯が前に出ているタイプ
それぞれに原因や治療法が違いますので検査で判断する必要があります。
出っ歯には先天的と後天的なものがある
先天的(生まれつき)な出っ歯とは?
出っ歯が気になる人はご両親や兄弟の状態を見てみましょう。骨格は遺伝しますからご家族に出っ歯やそれに近い人がいる場合、先天的(生まれつき)なものかもしれませんね。
顔全体のバランスを見たときに、上下どちらかの顎の骨の位置がナチュラルでない場合は先天的と考えられます。上下の顎の骨の成長がアンバランスだったことが原因で、上の歯が下の歯に過剰に覆いかぶさるような噛み合わせになってしまったものです。
後天的(生まれた後から)な出っ歯とは?
では、後天的(生まれた後から)に出っ歯になるケースってどんなものでしょう。
後天的な出っ歯とは、その人のクセが原因になることがほとんどです。
もともとは出っ歯ではなかったのに、知らず知らずに前歯を内側から押すような力が加わるクセのために、少しずつ前の方に動いて最終的にはその位置でおさまってしまい出っ歯になってしまうのです。
出っ歯の原因になる注意しておきたい5つのクセ
後天的な出っ歯の最大の原因といわれるクセ。小さい頃なかなかやめられなかった癖が後々厄介な置き土産をしてしまうことがあります。
- 指しゃぶり
- 舌や下唇を前歯で噛む
- 舌で前歯を押す
- 爪を噛む
- 口呼吸
これら5つの癖が出っ歯になる原因となる代表的なものです。
強い力ではないけれど前歯を押す力が継続的に加わり、徐々に歯の傾きが不自然に前に出たり、真ん中の歯だけが列から前に出過ぎてしまう、といったことが起こります。
つまりこの5つの癖は、自分で悪い矯正をしているようなものなんですよ。大切なお子さまの前歯が出っ歯になってしまわないように注意してあげてくださいね。
出っ歯の矯正方法
出っ歯を治すためには歯の矯正治療が必要ですが、原因によって矯正のしかたが異なります。
先天的(生まれつき)な出っ歯の矯正方法
上下のあごの骨のサイズが違う場合、上顎の小臼歯という歯を抜歯して内側に入る分のスペースを確保し、装置を使って少しずつ中に押していきます。ただし程度によっては骨を削るなどの手術が必要になることがあります。
後天的(生まれた後から)な出っ歯の矯正方法
癖が原因で前歯だけが出ている場合は、プチ矯正のような前歯だけの部分的な矯正治療で治ることもあります。
もちろんスペースが足りない場合は抜歯をする必要があります。装置についてはワイヤーを使って動かす方法や、着脱式のマウスピースを使った方法、小さなインプラントを使った方法もあります。どちらが適応かは検査をして診断することになります。
まとめ
きれいな歯並びは誰もが憧れます
出っ歯の人は、一番目立つ前歯の見た目がよくないことからコンプレックスに感じる人も少なくありません。
顎のサイズの不調和が原因の先天的なものから、指しゃぶりや口呼吸などの5つの癖が原因の後天的なものまでそのタイプはさまざまで、原因によって治療法も違います。
程度にもよりますが、クセが原因で程度の軽いものなら比較的チャレンジしやすい方法で矯正治療ができることもあります。
ただその癖を治さなければ、矯正治療の成果がなかなか出なかったり、再び出っ歯に戻ってしまうことも考えられます。
出っ歯が気になっている人は注意する5つのクセがないか、ちょっと気をつけてみることも大切ですね。