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突然ですが歯磨きの仕方を教わったのは誰からですか?
大学生や若い人に聞いてみるとほとんどの人が、小学校の学校検診の時に聞いたかな~程度の記憶しかないようです。
ということは今日私に出会うまでのあなたは、遠い記憶のわずかな情報だけを頼りに歯を磨いていたということになりますね。それじゃあ虫歯や歯周病になるのもしかたないかも!?
今回は歯科医院に勤務する私が歯磨きのポイントをまとめてお教えします!
歯磨きは何のためにするの?
そもそも歯磨きってなんのためにするのでしょう?
虫歯予防や歯周病予防はもちろんですが、根本はデッドスペースの汚れを落とすこと。歯垢(プラーク)がつきやすく汚れが残りやすいところに気をつけて磨くことが大切です。
口は本来自浄作用という機能を持っています。例えば、
- 唇や頬・舌は、常に歯に接触して汚れを着きにくくしています
- 唾液は、常時分泌され汚れを洗い流し、酸性に傾いた口の中を中性に戻す働きを持っています
- 食べ物を噛むことは、繊維などで歯を擦り汚れを落とす働きも持っています
歯磨きはこういった自浄作用の及ばない部分の汚れを落とすことを目的としています。
正しい歯磨きの方法
歯磨きは表面だけ磨いてもダメ!しっかり毛先を入れ込むように磨くのがポイントです。
- 歯ブラシは歯肉に半分乗せるくらいの位置に当てましょう
- ブラシを動かす時は、横に滑らせず隙間に毛先を差し込むように。差し込んだらそのまま軽く揺するような感じで磨きます。
- 1回に磨くエリアは「歯ブラシ」の幅の分だけ。
- 奥歯の溝も同様に、溝の中に入れ込むように歯1本ずつ磨くつもりで。
この歯磨き方法を歯全体に行うと最低でも5分くらいはかかります。
昔教わった歯磨きの仕方とずいぶん違うのではないでしょうか?
特に注意して歯磨きしたい歯垢のつきやすいところ
いくら歯を磨いていても虫歯はできてしまう。
それは自浄作用が届かない隙間をうまく磨けていないからです。
つまりそこがあなたの歯垢のつきやすいところ。
多くの方に共通しているのは、歯と歯の間、歯と歯茎の境目、奥歯の溝や頬っぺた側、そして歯並びが悪く重なったり凸凹に生えている部分などです。
歯の表面は自浄作用によってほとんどの汚れは付着しにくくできています。ですから前歯の真ん中に虫歯ができている人はあまり見かけませんよね。
虫歯や歯周病の細菌は口の中で生きていかなければいけません。そのために自浄作用の及びにくい居心地のいい場所を探し当ててそこに巣食ってしまうというわけです。
また近頃増えている口呼吸をしている人は、常に歯の表面が乾燥しているために自浄作用がうまく働かず、虫歯になりやすいこともわかっています。
磨きにくい奥歯や埋没している親知らずはヘッドの小さな歯ブラシで
奥歯はどうしても歯ブラシが届きにくく磨き残しが出てきてしまう場所です。
また斜めや埋没している親知らずがある方はプラークが付きやすくなってしまう恐れのあるので意識して磨く必要があります。
そこでもう一本、奥歯に届きやすいヘッドが小さい(うすい)歯ブラシを使いましょう。また歯医者さんの受付でよく見かける毛が1本まとまっている小さな歯ブラシ(ワンタフトブラシ)があるかと思います。それを通常のブラッシング後の仕上げに使うのもオススメです。
正しい歯磨き方法まとめ
どれだけ歯磨きを頑張っていても、それが自分なりの方法であれば見直しが必要です。
歯磨きの仕方は少しずつ変化するもので、その時の自分に合った磨き方のコツをきちんと掴んでおくことが大切です。
口の中の環境は人それぞれですから歯医者さんでプロに是非指導を受けてくださいね。きっと気付かなかったことや知らなかったことがたくさん見えてきますよ。
自分に最適な歯ブラシの選び方や歯磨き剤の使い方など、是非日常生活に取り入れてほしいなと思います(*^_^*)