コンプレックス

ホワイトニング

歯の着色・変色

更新日:

歯の変色、実はテトラサイクリンのせいだった!これってホワイトニングできる?

テトラサイクリン歯ってご存じですか?テトラサイクリン系抗生物質の影響で変色した歯のことです。テトラサイクリン歯は独特な色をしているので気になっている方も多いですね。変色の程度によって歯を白くする方法がありますのでご紹介していきますね。

このエントリーをはてなブックマークに追加
歯の変色、実はテトラサイクリンのせいだった!

知っていました?歯の色もいろいろあるんです

歯の色は本当に個性豊か。よく白や黄色で表現されますが実際にはもっとバリエーションがあるのです。歯科医院や歯科技工士さんはシェードガイドというものを持っています。これは歯の色見本で、詰め物や被せ物をする際に患者さんの歯にできるだけ合った色の材料を選ぶために使います。

一般的に色の系統で大きくA~Dの4つに分けられ、さらに明るさで最も明るい1から2、3、3.5、そして最も濃い4の5段階に分かれています。日本人の標準的な色はA3あたりです。ときどき、C(グレー系)やD(ダークブラウン・オレンジ系)の色の方がいらっしゃいます。この系統の色はくすんで見えるだけでなく、きれいな透明感のある歯の色を再現しようとしてもなかなか再現できない難しい色です。

歯の変色、実はテトラサイクリンのせいだった!

歯の色は生まれつきの資質ですが、時々何らかの原因で変色してしまうことがあります。そのひとつにテトラサイクリンという抗生物質が知られています。

テトラサイクリン系抗生物質は、以前から風邪や肺炎などいろいろな感染症に使われています。テトラサイクリン系抗生物質には特徴的な副作用があり、そのひとつが歯の色素沈着なのです。子供の頃テトラサイクリン系抗生物質を飲んだ人には、個人差はあるものの黄色味の強い色やグレーがかった色、左右対称のグラデーション(縞模様)が見られることが多いのが特徴です。

テトラサイクリン系抗生物質とは?

そもそもテトラサイクリンとはどのような抗生物質なのでしょうか。

一言で抗生物質といってもたくさんの種類がありその効果もさまざまです。テトラサイクリン系抗生物質は、肺炎などの呼吸器の病気やひどいニキビなど細菌の感染症に効くお薬として知られています。感染の原因となる細菌が増えるのを抑える効果があり、以前は幅広く効く薬としてあらゆる年代の人にしばしば処方されていました。

ところがテトラサイクリンには歯の内部に色素が沈着するなどの副作用があることがわかり、現在では特に8歳以下の子供や妊婦さん、授乳中のママへの処方は避ける必要があるとされています。でもこういった規制がなかった時代にテトラサイクリンの影響を受けた人もいるのです(ちなみに私もその一人です)。

テトラサイクリン系抗生物質は、耐性菌といって効かない菌が増えてきたこともあり、最近では違うタイプの薬が使われることが多くなりました。

テトラサイクリン歯を何とかしたいあなたへ朗報

テトラサイクリン歯の人が歯を白くしたいと希望される場合、問題となるのはその色の程度です。そこで色味に応じた方法をご紹介します。

薄いオレンジ系の場合(程度の軽い人)

通常歯医者さんで受けられるホワイトニングで標準的な色に近づけることができます。横縞がある時は複数回繰り返すことで目立たなくなります。

薄いグレー系の場合

薄いグレー系なら通常のホワイトニングを何回かすることで白くなります。ただし、標準的な歯の色より白みの強い色になります。横縞やグラデーションもある程度は目立たなくなります。

濃いオレンジやグレー系の場合

色素沈着が強くホワイトニングではなかなかきれいな白い歯にはなりません。歯医者さんで行うオフィスホワイトニングと自宅でも行うホームホワイトニングをダブルですることでだいぶ白い歯に近づきます。しかし、標準的な色より暗い感じや白みの強い色に仕上がり、やや不自然な感じになることがあります。また、グラデーションが強い場合はその部分との色の差が残る場合もあります。

グラデーションが強い場合

テトラサイクリン歯は独特なグラデーションをしています。歯の先端から根本に近づくにつれ、くすんだ濃いオレンジのような色に変化し、ちょうど木星の表面の模様に似ています。こういった色彩を持つ人はホワイトニングでは解決しづらいので、ラミネートベニアのように歯の表面を薄い板状のセラミックで覆う方法をおすすめしています。

方法の選択は慎重に

テトラサイクリンで色素が沈着した歯は独特の色彩をしているため気にしている人が多いようです。特に前歯は見た目にも目立ちますから白い歯にしたいと思うのも当然でしょう。

テトラサイクリン歯は、歯の内側の組織に色素が沈着し全体の色だけでなく縞模様や極端な濃淡が見られます。ホワイトニングできれいな白い歯になったとしてもそれは一時的なもので、しばらくすると元の色に戻ってしまいます。

半永久的に白い歯にしたいなら、表面を一層覆う方法や全部被せてしまう方法が確実です。ただこれらの方法は、歯を削ったり接着剤でくっつけたりと健康な歯に少なからず手を加えダメージを与えることになります。

ホワイトニングは繰り返す煩わしさがあり、被せ物は半永久的だけど歯にダメージを与えてしまう、などそれぞれのデメリットと照らし合わせて、最終的にはどちらを選ぶのかよく考え、歯医者さんとよく相談して決めることが大切です。

この記事を書いた人

おかあさん

おかあさん

歯科医院勤務。お口のエキスパート。しっかりものだけどちょっとおっちょこちょいなアラフィフ女子。口癖は「あらあら。どうしたの?」。医院でのあだ名は「おかあさん」。

合わせて読みたい

この記事に関連するタグ