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歯石取りとは違う「PMTC」で歯をキレイに!

今の歯医者さんでは歯石取りとは別にPMTCというテクニックを受けることを薦めています。これは以前の汚れを取るという考え方の次の一手ともいえる「汚れをつきにくくする」という概念から生まれた虫歯や歯周病予防の原点とも言えます。ちなみに歯科衛生士歴20年超の私が学生の頃は、歯石取りの実習や訓練は何度もあったものでしたがPMTCという概念は教わりませんでした。

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歯石取りとは違う「PMTC」で歯をキレイに!

画像:Pixabay

PMTCとは?

PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)とは、その名の通り、歯科衛生士などのプロが専用の機器を使って歯を隅々まで磨きあげるテクニックです。

エンジンという回転性の機械にクリーニング専用のゴム製のカップやブラシを装着しPMTC用のクリームをつけて磨きます。初めは研磨剤を含んだ粒子の荒いものを使い着色汚れなどを丁寧に落としていきます。そこから徐々に細かい粒子のものに変えていき、最後にフッ素やナノ粒子などを含んだコーティング効果のあるクリームを歯に塗り込んで仕上げます。

使用する器具は磨く場所にあわせて円錐型や円柱型などさまざまな形があり適宜交換しながら磨いていきます。そして仕上げにデンタルフロスや歯間ブラスなどで清掃します。

PMTCの時に使用するクリームには、乳成分から作られたものや金属成分を含んでいるものなどもありますので乳製品アレルギーや金属アレルギーのある人は事前に必ず伝えてくださいね。

インプラントに対してはフッ素の入ったクリームは避けた方がいいとされていますのでその点も注意して使用します。

PMTCを受けるとこんないいことがあるんです

PMTCは歯石取りと違って歯石や着色だけでなく歯の表面にこびりついてしまった細菌の塊を取り除くことができます。この細菌の塊は「バイオフィルム」と呼ばれる厚い膜状のもので通常の歯磨きではなかなかとることはできないため虫歯予防の妨げになります。そこでPMTCをすることでこのバイオフィルムを取り除き虫歯の予防効果を格段にあげることができるのです。

また歯周病の予防効果も高く欧米では積極的にPMTCが行われています。欧米の虫歯や歯周病の罹患率は日本に比べると非常に低いことがわかっているんですよ。日本では導入されたのが比較的最近なのでようやくPMTCのメリットが注目されるようになったわけです。

PMTCをすると自分ではなかなか届かないところまできれいにクリーニングしますから口臭の予防にも繋がります。またタバコやコーヒー、紅茶などで付いた着色汚れもきれいにすることができます。

PMTCを受けた歯はつるつるしていてとても気持ちがいいものですよ。途中で眠ってしまう人もいるくらいです(^_-)-☆ 仕上げにフッ素などの薬剤が入ったクリームを塗り込みますので歯質も強化されるので是非おすすめです

気になる費用は?

PMTCは予防治療のため残念ながら健康保険が使えません。費用は自費診療のため歯科医院によって異なり、調べてみると3000円台~6000円台が多いようです。PMTCの内容も医院によって異なりますので、興味のある方は一度かかりつけの歯医者さんに確認してみてくださいね。

まとめ

日本でPMTCが導入されて20年あまり。予防の認識が進んでいる欧米では積極的に取り入れられていてその予防効果の高さは日本の数倍~数十倍とも言われているそうです。保険診療が整備されているために安価で歯科治療を受けられる日本では予防の大切さが後回しになってきたのかもしれませんね。

これからは日常生活にPMTCを是非定期的に取り入れてきれいな歯を維持していただければと思います。費用もそれほど高いものではありませんから、エステ感覚で受けてみてはいかかでしょうか。

この記事を書いた人

おかあさん

おかあさん

歯科医院勤務。お口のエキスパート。しっかりものだけどちょっとおっちょこちょいなアラフィフ女子。口癖は「あらあら。どうしたの?」。医院でのあだ名は「おかあさん」。

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