ヒトはいつから歯磨きをするようになったのか?
歯みがきの歴史は古く紀元前にさかのぼります。
紀元前5千年のバビロニア人は、食前に必ず麻の繊維を指に巻き、歯の清掃をしていたという。そうして歯磨きは、バビロニア人からギリシア人へ受け継がれていく。さらにギリシア人は、さらに口をすすいで歯ぐきにマッサージを施すことを考案したと言われている。
出典元:VIVATEC 歯ブラシの歴史
また、日本歯磨工業会のサイトによると、紀元前1550年頃に古代エジプトで書かれた医学書「Papyrus of Ebers」で歯磨きについて書かれているそうです。
ヒウチ石の粉末、緑青、緑粘土、乳香、蜂蜜などを用いた粉歯磨剤や練歯磨剤の処方が記載されており、
出典元:日本歯磨工業会 歯みがきQ&A
ヒトは紀元前から口内環境の意識を持っていたんですね。
日本での歯磨きの歴史は?
日本では、平安時代のときに書かれた医学書「医心方」に歯磨きの記録があるのが最古の記録だそうです。
参照:書籍「むし歯の歴史―または歯に残されたヒトの歴史」出版社:砂書房
そして日本に歯ブラシの前身である歯木が伝わったのは、6世紀ごろ、奈良時代に仏教とともに伝わりました。日本では歯木のことを楊枝と呼んだそうです。
お釈迦様(紀元前500年)は木の枝で歯を磨くことを弟子たちに教えました。これが楊枝と歯ブラシの元祖です。 仏教では、僧侶が常に身につけておくべきその第1に楊枝が出てきます。心身を清めるのはまず歯(口)からということでしょうか。
江戸時代には歯を白くする、また口臭の対策として「丁字屋歯磨」という商品名で歯磨き粉が売り出されたそうです。
お歯黒は虫歯予防!?
日本での歯の歴史で気になるのはお歯黒。お歯黒は明治初期まで長く続く日本女性の習慣でした。歯が黒く輝いているほど美人でおしゃれ、と言われていて、楊枝で歯のお手入れをしつつ、植物のタンニンと鉄から作られた溶液を歯に塗っていたそうです。
塚や墓から掘り起こされたお歯黒の歯にはむし歯がほとんどなく、またむし歯が始まってから結婚してお歯黒を付け始めたと思われる女性では死ぬまでそのまま進行が停止していて、お歯黒にはむし歯を予防する作用があるばかりでなく、その進行を抑制しさらに、知覚を鈍麻する作用のあることも認められている。
今も昔も女性のおしゃれはつきません。昔の女性がおしゃれをしてお歯黒をしていた結果虫歯予防にもなった、というのと、今の女性が歯並びを綺麗にするために歯科矯正をして美しくなった結果口内環境もよくなって健康な歯になる、というのと似ていますね!
楊枝から今の歯ブラシの形に
明治時代の初めにアメリカから歯ブラシが伝わり、それが今の歯ブラシの原型になっています。日本製の第一号はクジラひげに馬の毛を植えた「鯨楊枝」が最初と言われています。
それ以降、歯ブラシは柄の部分が動物の骨、毛は豚や馬の毛のものが使われていました。昭和25年にライオン株式会社が日本で初めて合成繊維(アミラン)を植毛した歯ブラシを販売したそうです。
今も昔も芸能人じゃなくても「歯は命」
歯磨き、歯ブラシの歴史を調べてみて分かったこと。それは今も昔も「歯は命」ということ。そしていつの時代も女性は歯を美しくすることを大切にし、そして美しくすることで健康だったんですね!