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歯が溶けてしまう酸蝕歯とその原因は?
酸蝕歯とは、歯の酸蝕症のことを指し「歯が酸によって溶けてしまう状態」のことを言います。
歯の表面を覆っているエナメル質はpH5.5程度で溶け始めます。この溶け始めたやわらかくなった状態で歯を磨くと、エナメル質が削り取られ、その下にある象牙質が露出してしまった状態が酸蝕歯です。
酸蝕歯というと、昔は特殊な状況下にある人にのみ見られるものでした。例えば酸を扱う職場(精錬所、メッキ工場など)で働いていた人、ワインのテイスティングをするソムリエ、逆流性食道炎の人、などです。つまり、職業や病気などの理由で仕方なく歯が酸に触れる機会が多い人のみがかかっていたものだったのです。
しかし近年、食事の欧米化や健康ブームの影響を受けて、酸性の食品を口にする機会が多くなってきました。つまり生活習慣病としての酸蝕歯が増えてきたのです。
酸蝕歯が増えてきた原因が食品にあったとは驚きですね。
実はワタシたち女子が大好きな「気になる美容と健康によい」とされる食品の摂り過ぎが酸蝕歯の原因かもしれないんです!また最近ブームになっている「ジュースクレンズ」もフルーツを使ったものが多いですので注意が必要なんです。
- 柑橘類
- 洋風な朝食をとる人が増えてきて、朝からオレンジジュースを飲んだり、また健康のために柑橘系の果物を食べる人が増えています。またフルーツを使ったジュースクレンズを朝食にしている人も増えてきているようです。他にも欧米のように肉や魚にレモンをかけて食べたりすることも多くなってきました。
- ドレッシング
- 健康志向やダイエットの目的でサラダを食べることが増え、それに伴いドレッシングを使うことが増えてきています。
- ワイン
- 食事の欧米化、また女子はワインが大好きですし、健康のためにワインを飲む人も多いですね。
- チューハイ・梅酒などのすっぱいお酒
- 若い人を中心にチューハイや梅酒などのすっぱいお酒は特に人気があります。
- 炭酸飲料やスポーツドリンク
- 炭酸飲料も酸性度が高いことで知られています。小さい頃言われていた「コーラを飲み過ぎると歯が溶ける」というのはあながち嘘ではありません。また、健康に良いと思われているスポーツドリンクも実は酸性飲料なんです。
- すっぱいおやつ
- スーパーやコンビニなどに売られているすっぱい系の刺激的なおやつは大人気ですよね。
- 健康酢
- 「酢は健康やダイエットに効果的」という理由で、毎日健康酢を意識して摂取している人も多いようです。
こうやってみると、身近なものばかりでみなさんもよく口にしているのではないでしょうか?これらの食品は、和食が中心だった、そして健康ブームではなかった一昔前まではあまり摂られていなかったのです。
酸蝕歯にならないための予防方法は?
酸蝕歯を予防するには「酸性食品を避ける」ことが一番効果的です。
でも、すっぱいものは身体にも健康にもいいし、なにより美味しいもの。過剰に摂ることは避けつつ、次のようなことに注意すると酸蝕歯を予防できるそうです。
- すぐに水かお茶を飲む
- 酸性食品をとったら水やお茶をすぐに飲んで口の中を中和しましょう。
- すぐに歯磨きをしない
- 酸性食品を摂った後は歯の表面が溶けています。すぐに歯磨きをすると表面が削れてしまいやすいため、30分ほど経ってから磨くようにしましょう。
- グッと一気に飲み干す
- 酸性の飲料をちびちびと飲んだり、口に含んだままにすればするほど歯が溶けやすくなります。なるべく歯に触れる時間を短くしましょう。
- ストローを使う
- 歯になるべく触れないようにするためにはストローを使う手段もあります。ただし奥歯にはどうしても触れてしまいますので摂りすぎには注意しましょう。
- 酸性食品を一気にいくつも摂らない
- 一度の食事で、ドレッシングをかけたサラダにワイン、トマトソーススパゲッティ、お肉にレモンがけ、デザートにグレープフルーツ…などのような酸性食品てんこもりのメニューは危険度が高まります。メニューの内容も考えた方がよさそうですね。
ハミガキでの予防もあります
上記以外にもハミガキでケアすることもできます。知覚過敏でおなじみの「シュミテクト」からエナメルをケアする「シュミテクトPROエナメル」という歯磨き粉が出ています。これは「酸」による歯のダメージに着目した処方で、口腔内のpHを適正に保ちながらフッ素(フッ化ナトリウム)が歯のエナメル質を強く硬くし、予防してくれるんです。
酸性食品が好きな人はハミガキでのケアもお忘れなく!
酸蝕歯って見た目どんな感じになるの?
酸蝕歯、どんな状態になったら歯医者さんに行ったほうがいいんでしょう…見た目で分かるのでしょうか?
- 歯がしみる
- 歯に白い濁った部分が出てきた
- 歯の先端が透けてきた
- 歯の表面が凸凹してきた
- 歯が薄くなってきた
こんな兆候が見られる場合は酸蝕歯の可能性が濃厚なんだそうです。酸蝕歯なのかどうか歯医者さんに一度診てもらった方がよいみたいです。
酸蝕歯は長年の蓄積で起こる
酸蝕歯とは長年の蓄積で起こります。すっぱいものや炭酸が好きな人は要注意ですね。また、健康に気を使っている人には意外な落とし穴のようです。何事もほどほどに、ということでしょうか。
みなさんもぜひ食生活を見直してみてくださいね。