歯石と歯垢のちがい、知っていますか?
歯磨きをちょっとサボると歯の表面がヌルヌルしますよね。これは歯垢と呼ばれるものです。この歯垢、耳かき一杯(1グラム)の中に約1000億もの細菌がいると言われています。
この歯垢が唾液中のカルシウムやリン酸と結合して出来たものが歯石です。歯の石というくらいですから、石のように硬く、もはや歯ブラシで取ることはできません。
歯石を取った方がいい理由
実は歯石そのものは無毒化されており、病原性はありません。では、なぜこの歯石を取った方がいいのでしょうか?
歯石の表面はざらざらしており、とても歯垢がくっつきやすい構造になっています。ざらざらしているということは顕微鏡レベルでいうと凹凸がたくさんあるということです。その凹みに入り込んでしまった歯垢の中の細菌が毒素を出し、歯ぐきに炎症をおこしたり歯を支えている骨を溶かすという、歯を失う原因となる恐ろしい歯周病を引き起こすのです。
歯石の中に入り込んだ歯垢は取ることはできませんので、歯石ごと取る必要があります。
歯を失うだけではすまない歯周病の恐怖
歯周病によってお口の中では次のような症状が出てきます。
- 歯ぐきが赤く腫れる
- 歯ぐきから血や膿が出る
- 歯がしみる
- 歯がグラグラ揺れる
- かむと痛い
- 悪臭を放つ(卵の腐ったにおい)
- 歯が抜ける
そのほかに実は歯周病は全身の健康に次のような悪影響を与えることが分かっています。
- 心臓病
- 糖尿病
- 脳卒中
- 腎疾患
- 肺炎
- 低体重児出産・早産
なぜ歯とは全然関係ない所にこんな影響がでるかというと、血流に乗って歯周病原菌が体全体を巡る為と言われています。
歯石はため込むから痛い!歯周病になる前に定期的な歯石取りを
歯石が歯周病を引き起こす大きな原因となっており、歯周病が口の中だけでなく体全体に悪影響を及ぼし命にすら関わることが分かっていただけたかと思います。
「歯石を取ると痛い」というのはよっぽど歯石をため込んでいたりしていて歯ぐきの炎症が強い状態だから痛いのです。
歯石はもともとは磨き残しからできる歯垢が原料となっていますので、まずはその歯垢をためないような歯みがき、そして歯科医院での定期的な歯石取りのケアを受けていればそれほど痛いものではありません。もし、痛い場合でも頼めば麻酔をしてもらうことは可能です。
皆さんも歯石をため込まないよう、歯科医院での定期的な歯石取りをすることをオススメします。