アルツハイマー病に歯が関係している?
歯周病が心臓疾患をはじめ、さまざまな病気に大きく関わっていることが多くの研究であきらかになっています。
厚生労働省の「歯科疾患実態調査」によれば、30~50歳代の日本人の80%が歯周病と報告されています。いまや、歯周病は歯茎だけではなく、全身的な問題として意識せざるをえないのかもしれません。
歯周病以外でも、歯の喪失がアルツハイマー病の病態を悪化させることが、マウスを用いた実験で明らかになっています。
アルツハイマー病とは?
アルツハイマー病とは、脳の神経細胞が編成・脱落し、認知機能が低下する進行性の疾患です。その発症原因は、いまのところはっきりしていません。
「アルツハイマー病=認知症」ではなく、アルツハイマー病とは認知症を引き起こす原因となる病気のひとつです。
認知症には大きく3つに分類されます。アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症の3つです。日本人はもっともアルツハイマー型認知症が多いのですが、今や高齢者の4人にひとりがアルツハイマー病と言われているそうです。
生活習慣病があるとアルツハイマー病を中心とした認知症の危険度は増すことが研究結果より分かっています。
歯周病と歯の喪失とアルツハイマー病
歯周病が進むと体にさまざまな弊害が現れる可能性がああります。たとえば、歯周病が毛細血管から体の中に入り込むと、頭痛、倦怠感などの全身の不調を引き起こすほか、心筋梗塞、狭心症、脳血栓、脳梗塞などの循環器系の命にかかわる重大な病気の発症にもつながるのです。
歯周病が生活習慣病を引き起こし、その結果、アルツハイマー病を発症する危険も高まります。
また、広島大学の研究では、マウスを使った動物実験で「臼歯の喪失・咬み合わせの喪失はアルツハイマー病を増悪させる」ことが分かりました。
歯のメンテナンスでアルツハイマー病のリスクを減らしましょう
歯周病などの歯の病気は、さまざまな病気につながっています。アルツハイマー病にまで!
歯周病や歯の喪失がアルツハイマー病を発症するかもしれないその理由はまだ明確ではありません。これからの研究でどんどん新しいことが解明してくることでしょう。
歯周病は歯医者で検査で分かります。歯医者さんで定期検診を受けたり、毎日の歯のメンテナンスを行ったりすることで、アルツハイマー病のリスクを減らせる可能性があるのであれば、将来シアワセな日々を過ごしていくために今から気をつけておきたいですね。
参照:広島大学「歯の喪失とアルツハイマー病の関係を動物実験で解明」