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訪問歯科とは
2005年に厚生労働省は歯の治療を外来で受けている患者さんは70~74歳を過ぎると激減していると発表しました。実際高齢者は歯のトラブルを抱えている人も多く美味しく食べることができないまま我慢している人がとても多いんです。また介護が必要な人の数は介護保険制度開始から10年間で2倍以上に増加しているという調査結果も出ています。つまり介護を要する高齢者は、お口に問題があっても体が不自由だったり通院する手段がないなどの理由から、治療が受けられないままになっていると考えられるのです。そこでこのような受診が難しい人の要請を受けて自宅や施設に直接歯科医師や歯科衛生士が赴き治療を行うのが訪問歯科なのです。
受けられるサービス
訪問歯科では一般の外来歯科治療とほとんど同等の治療が受けられます。
具体的には
- 虫歯や歯周病治療
- 入れ歯(義歯)の調整や新製・修理など
- お口の中のケア
- お口の機能のリハビリテーション(噛む、飲み込む、誤嚥性肺炎の予防など)
特に高齢の方や体に障害のある方は単に虫歯や歯周病だけでなく噛むことや飲み込むことがうまくいかない人も多く、また口の中のケアがうまくできずに不潔な状態になっている人も少なくないといわれています。訪問歯科サービスは、歯科医師や歯科衛生士が患者さんの日常生活を直接見て歯科医院で行うよりもその人に適した治療や指導ができるというメリットがあるんですよ。
費用は?介護保険は使える?
訪問歯科では医療保険と介護保険が適用されます。ただし保険適用で治療を受けるにはいくつかの決まりごとがあります。
- 最寄りの歯科医院に通えない正当な理由があること
(要介護や体が不自由で通院が困難など。時間がないとか面倒とかいう理由は通りませんので悪しからず) - 訪問歯科を行う歯科医院から半径16キロ以内であること
医療保険適用の場合は3割や1割などの自己負担割合に準じた費用がかかります。障害のある方、生活保護の方などはそれぞれの市町村で決められた減免措置が適用されます。また介護認定を受けている人は介護保険が適用されます。適用されるのは主に居宅療養管理指導料というもので歯科医師や歯科衛生士から指導を受けた場合に決められた回数分の適用があります。
実際にどれくらいの費用がかかるかは治療の内容にもよりますが、一般的に訪問診療の点数は外来の点数より高く設定されています。なぜなら移動や調整などに要する時間や手間、設備機材の準備が外来の治療の数倍かかるためその分が補てんされているのです。また訪問診療に特化した点数の加算もありますのでどうしても高くなるのはやむを得ないようです。
訪問歯科についてのまとめ
訪問診療は外来で治療を受けることのできない人を対象として設けられた社会の流れに対応した歯科診療のスタイルです。これまで痛みなどのストレスや食べる楽しみのない寂しい生活を送ってきた人たちが少しでも質の良い生活を送れるようにという願いを込めた診療体制といえます。まだまだ対応している施設もスタッフも不足しているのが現状ですが、これからもっと需要が増えるでしょう。