50代のお悩み

インプラント

更新日:

経済的にも時間的にも余裕が出て人生を楽しみたい50代、60代で知っておく歯のこと

死亡原因のベスト3に入っている心疾患と脳血管疾患にはお口の中の細菌も大きく関係しています。これから第二の人生を歩んでいく私たち50代60代の人たちにとって「自分の歯で食べる幸せ」「健康は口の中から」。80歳を過ぎても自分の歯でおいしく健康的に食べられるようしっかりケアしていきましょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加
経済的にも時間的にも余裕が出て人生を楽しみたい50代、60代で知っておく歯のこと

人生の集大成が垣間見えるお口の中

仕事や家族のために頑張ってきた人たちも、50代や60代になりようやく自分のために時間やお金を使えるように。

仕事が終わってからじゃ歯医者の受付時間には間に合わないし予約がなかなか取れないとか、休日も家族のことや休日出勤でキャンセルしたり、と思うように通うことができず治療を中断してしまった人もいることでしょう。

痛みを我慢しているうちに治まってそのまま放置していたという人も意外に多いものです。

そこで、経済的にも時間的にも余裕が出て人生を楽しみたい50代60代で知っておく歯のことについて、ざっくりとお話しましょう。

気が付けば既に手遅れ…!?

やっと歯の治療に通えると思ったら、悲しいことにお口の中は手遅れ気味の人も少なくないこの世代。

実は50代、60代の歯周病罹患率は90%近くに上ります。

気が付けば「硬いものが噛めなくなった」「歯並びが悪くなってきた」なんてことはありませんか?これらは年齢のせいではなく進行した歯周病が原因なのです。
進行した歯は噛む力が弱まるだけでなく不安定。

厚生労働省によると60歳で残っている歯は平均20本を下回っているそう(歯は全部で28本、親知らずまで入れると32本)。

もちろん歯周病だけでなく放置した虫歯なども失う原因となっています。

さぁ、なくなった歯どうしよう!?

「時間ができてから」と思って放置して歯がなくなった部分はどうしましょう。

一般的には「ブリッジ」「入れ歯」「インプラント」の3つの方法があります。

ブリッジ

「ブリッジ」は保険上できる部位が細かく決められています。自分の歯を削らなければならないというデメリットと固定式なので違和感なく噛めるというメリットがあります。

入れ歯

「入れ歯」は保険が適用されます。

制約はほとんどありませんが、なにしろ違和感が強く馴染むまで時間がかかるのが難点。
食事のたびに外して洗ったり、不具合があると調整が必要になるなど結構面倒です。でも安く作れるからお金にはかえられない!?

インプラント

「インプラント」は保険がききません。
一般的には1本あたり20~40万円程度が相場です。

いったん定着すると自分の歯のように噛むことができますが、手術にはさまざまな制約があります。

歯医者で入れ歯を薦められて仕方ないと諦める人や「お金はいくらかかってもいいからインプラントしてくれ」と言う人もいるようですが、いずれにしてもなくなってしまったものを補填するにはかなりの労力が必要だということは確かですね。

全身に忍び寄る魔の手

歯周病や虫歯の恐ろしいところはそれだけではありません。
死亡原因のベスト3に入っている心疾患と脳血管疾患にはお口の中の細菌も大きく関係しています。

お口の中が不潔な状態にあると、食事や歯ブラシなどで小さな傷ができて出血します。
するとその部分から歯周病や虫歯の細菌が血管に入り込み、血流に乗って心臓や肺などにたどり着くのです。これらの細菌が原因となって炎症を起こしたり血管が詰まって最悪の場合命に係わることも…。

それだけでなく、毎日の食事と一緒にこういった細菌を飲み込んでいることは容易に想像できますね。
そうすると今度は胃や腸にも炎症を起こしかねないのです。

お金で買えない「自分の歯」と余った時間で「メンテナンス」

これから第二の人生を歩んでいく50代60代の人たちにとって「自分の歯で食べる幸せ」「健康は口の中から」はまさにピンポイント。

ぜひ半年に1回の定期検診、あるいは歯周病治療をきちんと受けて月1回のこまめなメンテナンスを受けましょう。

お口の中について言えば、これまでを振り返るのではなくこれから先をどのようにしていくのかが最も大切なことなのです。

この記事を書いた人

おかあさん

おかあさん

歯科医院勤務。お口のエキスパート。しっかりものだけどちょっとおっちょこちょいなアラフィフ女子。口癖は「あらあら。どうしたの?」。医院でのあだ名は「おかあさん」。

合わせて読みたい

この記事に関連するタグ